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覚えているのは彼の温かな声。 「ことり。」って呼ぶ彼の優しい声。 あの声だけが僕から求めた音だった。 「あたたかな声音」 涼やかな秋の風が吹き始めた頃、確かあの日は台風が近付いていて雨だったように思う。 僕と彼は彼のマンションでくつろいでいた。 ふわふわで真っ白なベットの上でまどろむように彼の声を聞いていたんだ。 「ことり、」 「んー?」 彼の胸に顔をうずめていると温かな声が上から降ってくる。 次の声を待っているがなかなか彼は喋らない。 仕方ないので胸から顔を離してちょっと上を向く。 「なぁに?」 目が合うと彼はにっこり笑った。 僕はこの笑顔も大好きだった。 「ことりの本名はなんなのかな?って思って。」 「だから、小鳥でしょ。」 「ほんとに男の子なのに小鳥って言うの?」 「むー・・・気にしてるのにー・・・嫌い嫌い!そういうこと言うと嫌いになっちゃうからね!」 ぎゅーっと彼を抱きしめて元のように顔を胸にうずめた。 ふふっと笑うような息遣いが聞こえたあと彼は「ごめんごめん。」と謝った。 「だって小鳥って珍しいだろう?それにことりにぴったり合ってて可愛いし。」 「・・・それは褒めてるの?」 「もちろん。」 彼の大きな手のひらが僕の頭を撫でる。 開け放たれた窓から聞こえてくる雨の心地よいリズムと彼のあたたかな手。 安心できるこの場所はいつも眠気を誘う。 「・・・母親がつけたんだ。」 「きっとロマンチストだったんだね。」 「鳥が好きでね、うちにはいっぱいいたよ。」 「ことりみたいに可愛いんだろうね。」 「うーん・・・いっぱいいるとちょっとウルサイかな。」 「ははっ、ことりと一緒?」 「もー!」 くるっと横に寝転がっていた彼の上に乗っかる。 「なんでそんなに苛めるのさ。」 僕の重さは大したことないとでも言いたげな余裕の笑みだ。 「好きだから。」 「・・・・・・」 彼に出会ってから何度となく言われたセリフなのに今でも顔が熱くなる。 きっと赤くもなってるんだろう。 ずるい。 「好きだから苛めるなんて、小学生じゃあるまいし。」 「でも小鳥は中学生でしょう。」 「・・・また気にしてること言う・・・。」 「ぅわ!」 膨れっ面で俯いていた隙に彼は起き上がった。 そして反対にひっくり返った僕は彼の下にいることになる。 「知らないの?好き過ぎて好き過ぎて苛めたくなっちゃうんだよ。」 「・・・知らない。重い。」 ちょっと体重移動をしてから彼は僕の耳元に口を近づけて囁いた。 「好きだよ、ことり。大好きだ。」 言ったついでに耳にチュっと口付ける。 やっぱり彼はずるい。 「何する気?」 「何したい?」 人の首筋に口付けながら人の服を脱がしてる人の言うセリフなの? 「もー!僕から言わせようとするとこがおっさんくさい!」 「手厳しいお言葉だな。」 苦笑した彼は僕に触れるのを止めて隣に寝転んだ。 「じゃぁ、一緒に眠る?」 「やだ。」 「じゃぁ、ことりは何がしたいのかな?」 「・・・もいちど言って。」 「何を?」 「僕のことどう思ってるのか。」 にっこり微笑んだ彼は僕の頭を包み込むように手を添えた。 そして真剣な表情に切り替わるとゆっくりと言葉を紡ぐ。 「ことりのことを愛してる。放したくないよ。俺から羽ばたいていかないで。」 手が離れたかと思うとおでこにチュっとキスをされさっきの行為が再開される。 僕はなんだか胸が熱くなってきてしまってボーっとした。 なんだか目も霞んできた気がする。 彼の口付けが瞳にも落ちてきそうだったから目を閉じた。 「わ、ことり?どうして泣いてるの?」 「え?」 そっと目をこすると確かに涙だ。 自分でも泣いてるとは思わなかったけど、泣く理由なんてひとつしかない。 何度も好きだと言われたけど、今日ほど真剣に言われた事はなかった。 僕はいつも彼を追いかけてる気がしてならなかった。 羽ばたいていってしまうのはいつだって親鳥が先だもの、きっと貴方も羽ばたいていってしまうんだと不安だったんだ。 「・・・知らないの?好き過ぎて好き過ぎて、でもって嬉しい時は涙が出るんだよ。」 「知らなかったな。・・・ことりは綺麗だね。その涙も心も全て。」 「だって僕だって貴方のことを愛しちゃってるもんっ。」 今度は僕から口付ける。 微かに触れた僕を絡めとるように今度は彼から深い深い口付け。 温かな体と熱くなってくる自分、窓から入る風と雨の音。 愛した貴方と心地よい空間。 貴方の声と僕の声、 合わさって合わさって幸せを迎えるこの時、 僕は今でも、 思い出すと泣きたくなるよ。 貴方がいない今でも、貴方の声を求めてしまう。 どうか僕をもう一度抱きしめて。 そしてその優しい声で「愛してる。」って呼んで。 「ことり」って呼んで。 +END+ ぅわー!!!!!なんじゃこりゃ!!あまあま!!!!!? 小鳥がカワイコ振りすぎです(笑)言葉も臭いですね!!恥ずかしっ! 大目に見てやってください(^^; |
元彼役をやってくれた一馬くん、お疲れさまです(笑)
一馬「俺で良かったの?」
凪「うん、元彼さんはお迎え予定ないからさ〜。」
「そうなんだ。。。」
「そうなのよ、だから再現VTR風で今後もよろしく(笑)」
「はーい。」
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